【供養のかたち】いま注目の「自然葬」とは？種類や選び方をくわしく解説

近年、樹木葬や散骨といった「自然葬」と呼ばれる供養方法を選ぶ方が全国的に増えています。

「自然葬」とは、墓石を持たずに自然に還る新しい供養のかたちですが、少子高齢化や墓じまいの増加、環境意識の高まりなどを背景に、いま注目を集めています。

本記事では、自然葬の種類・メリットや注意点などをわかりやすく解説、さらに検討する際のポイントも詳しくご紹介します。

１.なぜ今、自然葬が選ばれているのか

自然葬が広く選ばれるようになった背景には、社会の変化と価値観の多様化があります。

よく挙げられる理由を5つまとめました。

２.自然葬の種類と特徴

自然葬にはいくつかの種類があります。代表的な自然葬の種類とその特徴をご紹介します。

樹木葬

・樹木や草花を墓標にする埋葬方法（個別型・集合型・合同型）

・永代供養付きプランが多く、継承者の心配もなく安心

・一般的なお墓に比べ、比較的少ない負担で選ぶことができる

散骨（海洋散骨・山林散骨など）

・ご遺骨を粉末状などに加工し、海や山・空中などに撒く方法

・主な種類には「海洋散骨」「山林散骨」「空中散骨」など

・散骨は法律による明確なルールが存在しないため、地域の慣習やガイドラインの確認が必須

その他（循環葬や宇宙葬など）

・森に埋めて土壌循環に還す「循環葬」

・ご遺体を微生物などで分解し堆肥化する「堆肥葬」

・遺骨をロケットで宇宙へ送る「宇宙葬」など

特殊な葬送方法などは、日本では扱っていないものもありますが、“自分らしい最期”を実現する選択肢は様々です。

３.自然葬を選ぶ際に注意したいポイント

自然葬は自由度が高い分、気をつけたいポイントもいくつかあります。自然葬を検討するときに知っておくべき大切な注意点をまとめました。

・法律・自治体ルールの確認

「墓地埋葬法」の解釈や、自治体独自のガイドラインがある場合もありますのでしっかり確認しましょう。

観光地・山林・農地・私有地では許可が必要な場合もあるので要注意。

・家族との話し合いはしっかり

家族間での話し合いがないまま行われ、後から揉めるケースも。

宗教の問題や価値観の違いなど、事前に家族の理解をしっかり得ることがとても大切。

・業者選びは慎重に！

自然葬は法律の解釈が広いため、業者選びは慎重に。

粉骨の方法・環境衛生対策の明示、場所の許可は取れているのか、散骨証明書の発行はあるか、法令遵守の姿勢があるかなどもしっかり見極めましょう。

・アフターサービスの有無

自然葬はお墓や納骨堂といった供養の場がないため、葬送後のアフターフォローの有無が重要です。

命日供養や年忌法要の相談、合同追悼式やメモリアルグッズの提供などを確認しておくことで、ご家族の安心につながります。

４.よくある質問（FAQ）

Q1. 自然葬の費用はどれくらい？

A. 樹木葬は10万～、海洋散骨は5万～が初期費用の目安です。

自然葬は内容や方法によって費用に大きな幅がありますので、細かな確認が必要です。

Q2. 北海道で自然葬はどこでできる？

A. 北海道では札幌など主要都市近郊の霊園を中心に樹木葬区画が設けられています。

公営霊園はまだ少数ですが、利用者の増加に伴い民間霊園を中心に年々増えています。

また海洋散骨は、北海道周辺の海域の主だった港から船が出ています。(小樽、函館、苫小牧、網走など)。

山林散骨は場所の確保が難しく少数です。

Q3. お骨を一部を手元に残すことはできる？

A. 施設により異なるので事前の確認が必要ですが、多くの場合ご遺骨の一部を手元に残すことは可能です。

ミニ骨壺やミニ墓石による手元供養や専用のペンダントなど、様々な保管方法があります。

Q4. 散骨は法律違反にならない？

散骨は法律で禁止されてはいません。

ただし、社会的なマナーや地域のルールに配慮が必要です。節度ある方法が求められます。

Q5. 生前に申し込むことは可能？

多くの場合、自然葬は生前に申し込むことも可能です。

費用や供養の方法などを自分で確認することができるため安心です。

Q6. ペットも一緒に供養できる？

A.北海道にもペットと一緒に眠れる樹木葬を設けている霊園があります。

散骨に関しては施設ごとにルールが異なるため、希望に合った形なのか事前に確認が必要です。

５.まとめ

自然葬は、「自然に還りたい」という願いを形にできる、新しい供養方法です。

費用面や自由度の高さから人気が高まっていますが、法律・家族の合意・業者選びなど、“手を合わせる場所がない”分、事前の確認が重要。

費用・場所・ルールをしっかり調べて、故人と家族の気持ちがどちらも尊重される、安心できる供養方法を選びましょう。